元居酒屋店長が伝える日本の飲酒文化

台湾と日本の注文スタイルの違い

日本が好きな旅人の皆さん、日本の居酒屋に初めて行ったときのことを覚えていますか?そのとき、日本の居酒屋の注文スタイルが台湾のレストランとは少し違うと感じた方もいるのではないでしょうか?日本では、席に着くとまず店員がウェットティッシュと一皿の小さなお通しを提供し、その後、お酒や飲み物の注文を尋ねてくれます。そして、みんなで乾杯した後に、メニューをゆっくり見ながら食べる料理を決めるのが一般的です。

実は私もかつて東京の有楽町や銀座で居酒屋の店長をしており、初めて現場でこのような注文の流れを体験したときにはとても新鮮に感じたものです。台湾では料理がメインで、まず何を食べるかを決めた後に飲み物を注文することが多く、さらにバイク通勤の方も多いため、お酒を注文する人はあまりいないことが一般的です。

しかし、日本では居酒屋だけでなく、特に仕事終わりには多くの人がレストランや食堂に入るとまず生ビールなどのアルコールを注文します。大学生や企業でも「飲み会」(のーみーかい)と呼ばれる会が多く開かれ、これは「飲酒会」という意味ですが、台湾で言う「食事会」に近いものです。

日本人はお酒がなければ楽しめない?

また、大学時代に台湾と日本の学生交流会に参加したときのことを思い出します。別れ際に多くの日本人の友達から「日本に来たら一緒に飲もうね!」と書かれたカードをもらい、私にとっても文化的な衝撃でした。「日本人は大学生のころからこんなにお酒が好きなのか」と驚いたものです。台湾の大学生なら、「一緒にコーヒーでも飲もう」「ご飯を食べよう」と誘うことが多く、「一緒に飲みに行こう」というフレーズはあまり聞かないかもしれません。

なんとお通しは強制料金?

最初にお話した、席に着くと自動的に出される「小皿料理」を覚えていますか?これは日本語で「お通し」(おとおし)と呼ばれ、料理が来る前にお酒のお供として出されるものです。店によって料金は異なりますが、300~500円程度です。私が店長をしていたとき、こうした文化を知らない外国人のお客様が「頼んでいないのに請求された。詐欺ではないのか?」と疑問を投げかけてきたこともあり、それ以来、海外からのお客様には注文前にこの文化について説明するようにしていました。「小皿付きのサービス料」と考えると理解しやすいかもしれませんね。

次に居酒屋を訪れる際には、周りの日本人の注文の順序を観察してみたり、まずは生ビールとお通しを楽しんでからメニューを開いてみたりと、日本のスタイルを試してみてはいかがでしょうか?

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